SSブログ
在外研究(暮らし) ブログトップ
前の10件 | -

イギリスの医療(その3) [在外研究(暮らし)]

それまでも,子ども達が,風邪を引いた,おなかが痛い,ということがあったが,いずれもとりあえず様子を見るうちに落ち着いていた。ところが,11月の中盤のある日,次男トモノリが腹痛を訴える。熱もあるし,むかむか吐き気もするという。スプーンでサイダーを一口ずつ飲ましてやっても,何度か戻す。とりあえず様子を見る,という状況よりは悪そうである。
 というわけで,いよいよGPに行かねばならない,ということになった。月曜日の朝,9時半に電話をしてみると,別に頼み込んだわけではないが,11時に来てくださいとのこと。すんなり予約はとれた。タクシーを呼んで,GPへ。

 受付をすませてしばらく待つと,インド人(名前からしてそうではないか。)医師による診察である。"How can I help this young man?"と,にこにこと迎え入れてくれる。両親が,たどたどしく症状を説明してから,診察に移る。手順は日本とそんなに変わることはない。体温は,両耳の鼓膜温を違う体温計で測定する。体温計を渡されて待合室で自分で検温するのよりは慎重ではないか。おなかを押したりする様子は,日本の病院と変わらない。

 結果,まあ,熱も下がっているし,悪いものでも食べたことによる腹痛でしょう,今日は食事は止めて,ジュースやコーラ(確かにコークって言われた。)を飲ませなさい,食事はヨーグルトのようなものから始めなさいという診断と治療法になる。一応,便の検査をしておきましょう。4時までにレセプションに出しておいたら,明日には結果が分かるので,何か重篤な問題があれば,連絡します,とも。薬も処方箋もなし。3日経ったら来てくださいもなし。

 そんなわけで,家に帰って,医師のアドバイスにしたがって過ごすこと3日,元気を取り戻し,木曜日からは学校にも行けるようになる。というわけで一件落着。金曜日になって,元気になったか,と電話をもらう。家内によれば,なんかが検出された,とかいうことだが,よく分からない。

 今回の経験から見る限り,イギリスの診断や治療も悪くない,と結論したい。薬がないというのは,実はよいと思う。医者で出された薬を無理に飲ませようとしたがために,嘔吐した,とか,嘔吐したのでまた飲ませてみたらまた嘔吐した,という経験は全ての親が持っているのではないか。
 そもそも,ひとさじひとさじ飲ませてやっても戻すときは戻す。親が冷静になって,2,3時間待ってやるしかない。2,3時間早く飲ませたから,2,3時間早く元気になるということも,間に合わなく死んじゃうこともあるまい。まあ,なかなかその辺の加減というか判断は,親だからこそ難しい,とつくづく思う。イギリスみたいに適度に,医者にかかるのがめんどくさい方が,加減の仕方を覚えるのではないか。

 というわけで,私の場合の病気体験を書いてみた。日野家2代(よーするに自分とその弟妹,また自分の子ども)にわたる観察によれば,子どもがちょこまか病気をするのは,年中組までだと言ってよい。そういうわけで,子どもの年齢から見て,ちょっと我が家は恵まれた状況にあったと思う。もっとも,私自身はもう少し大きくなってから,溶連菌感染症や急性腎炎など,重病も経験している。こういう病気になったら,結構面倒くさいぞと思う一方で何とかなるとも思う。病気になるかならないかは分からないし,心配していては,始まらない。と,強がりを言う一方で,残りの滞在期間が無事終わることを祈っている。

nice!(0)  コメント(0) 

勤務先でのさまざま(その2・ゼミの学生) [在外研究(暮らし)]

 在外研究に行くにあたって,もっとも気がかりであったのは,ゼミの学生たちのことであった。勤務先コマザワ大学経営学部の場合,ゼミは2年次スタートの4年次までの持ち上がりである(余談だが,むずかしい大学になるとゼミは3年次からである。また,1年次からゼミがある,という大学もあるが,多くの場合どうでもいい大学である。さすが,日本の平均,コマザワ大学。いまや4年次の数ヶ月は就職活動でゼミが成り立ちにくくなっている。そう考えると2年から始めるというのは充実した教育を提供しているといえよう(ちょっと宣伝)。ついでにイギリス事情を書けば,在外研究先の大学の大学院の場合,ゼミに相当するものはない。チュートリアル・グループがあって,少人数教育を提供しているが,それが卒業後までずっと続く師弟関係を含んでいるのかというと,そうではないようである。担当するのも大学院を出たばかりのティーチングフェローだったりする。この点では,日本の大学教育はイギリスに負けていないと思う。)。

 恩師コバヤシシュンジ先生は,国内研究の一年間,ゼミぐらいは持とうとゼミだけは開講されていた。そのときのゼミの3年生が不肖私である。ゼミの学生を大事にすることぐらいは,先生に負けてはいられない。もっとも,大事にする,には注が必要であろう。

 大学は学生をほったらかすところである。面倒見のいい大学とか教員,とかきくと,ああ,あなたは中学や小学校の先生が向いていますね,とつぶやくことにしている(心の中で)。
 誤解を恐れずいえば,教員の仕事の一つは,意地悪く突き放して自分で考えさせることである。「ふーん,で,それで?」「どっかのブログで見てきたようなレベルの低いことをいうんじゃありませんよ。」とか。
 その一方で,「吹雪のアルプス山中におけるピレネーの地図」になってやることである。おお,地図が出てきた,と落ち着いて迷子になっていた登山者が下山できれば,それでよいではないか。別の言い方をすれば,おぼれる学生のつかむ藁になってやることである。やあ,つかまるものがあった,と安心して岸まで泳いで行ければ,それでよい。
   
 恩師コバヤシ先生は,なんだか訳のわからないひとであるが,コンパの帰りに,突然,「ヒノ君,きみはとにかく英語やんなきゃだめだから。」とおっしゃってくださったことある。いまとなっては,なんというアドバイスだったのだろうと思わずにはいられない。

 さて,私の場合,大学院時代の先輩に代講を頼んで,ゼミの学生には,きっとイギリスに遊びに来るのだよ,と言い残してイギリスに旅立ったのであった。
 そして滞在の日々も残り少なくなった1月,とうとうゼミの4年生,セキグチ,ヨネヤマの2名がダラムまでやってきてくれた。初海外,というが,店でも列車でも二人ともなかなか堂々とした受け答えである。私が始めて外国に行った大学生の時よりも堂々としていると思う。
 彼らをおいてきた罪悪感は少しだけだが軽くなる。ちょうど,こちらの大学も卒業式のシーズンである。卒業式を見物したり,こちらの学生の卒業会食に混ざって,3コースを頼み,ワインを飲んだりする。寒くて暗いイングランド北部の田舎で,研究生活を送る私が彼らにとってなんかの刺激になってくれればと思う。

「ここのレストランはどう?」
「やばいです。」
「......。」 

写真はロンドンのパブで。
DSC00102s.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

GPで健康診断(イギリスの医療・その2) [在外研究(暮らし)]

 全国共通なのかはわからないが,登録の際には健康診断があった。大人一人プラス子ども一人で受けろといわれ,長男トシヒロと一緒に診察室に入る。といっても私は問診と身長・体重・血圧の測定だけでおわる。"Do you drink? " "Every day?"とか聞かれる。疑問文だから当然語尾を上げるのだが,なんだか怒られているような気になる。"Yes, but small amount."とか答える方も言い訳めいている。
 日本では雇用者に被用者の健康診断が義務づけられており,その結果,何ら問題がなかったことを伝えた。実は健康診断はオールAなのである。どうだ,すごいだろ。大学の先生がそんなオールAしか自慢できないので情けない。健康診断表を持ってきていれば,もっとわかりやすく説明できたかもしれない。
 
子どもは,髄膜炎(meningitis,メニンジャイティス)とおたふくmumpus(モンプス)の予防注射を受けるように言われる。ここでは,母子手帳の予防注射の記録が役に立った。母子手帳は世界的に見ても優れた制度だと言われていると聞いたことがある。非常に便利な記録であるが,注射の日付などが西暦表記でないのが玉にキズ。
 その場で受けることになり,トシヒロが青くなる。本人たちの名誉のために書いておくと,二人とももちろん泣いたりしない。お医者で泣かないのは,日野家2代にわたる誇るべき伝統である,と言い含めてあるからである。伝統的支配なのである。
 ぶすっと両腕に二本ずつ。消毒はしない。曰く,刺すとき痛い,薬の入ってくるとき痛い,結局日本のより痛い,とのこと。

 家内は,子宮頸ガンの検診を受けるように言われ,結果次第で予防注射が必要と言われる。後日「出産ほど痛くないから。」といわれつつ検診を受けたらしい。日本で検診を受けたことのある人は,結果を持参して説明すれば免除してもらえるのではないか。

 そもそも病気を表す単語は知らない。cancerは誰でも知っている。appendicitisは,中学3年生の時にバーバラ(だったと思う)がかかったので,知っている。ちなみにバーバラは英語の教科書に出ていた女の子ですね。私自身がたまたまかかったことがあるので,pneumothorax,自然気胸も知っている。ほかは知らない。ゆえに,電子辞書が役に立った。

 医療の次回はGPのお世話になる,の巻。果たしてイギリスの医療は崩壊しているのか?
 
 おっ,そういえばurineの話を忘れていましたね。というか,私の場合提出するのを忘れて持って帰って来てしまいました...。速やかにトイレに捨てました...。
nice!(0)  コメント(0) 

イギリスでの医療 [在外研究(暮らし)]

 いろんな事情を経て,もう一つだけ在外研究と暮らしについて書いてみようと思う。在外研究でイギリスに来る人のお役に立てば幸い。というわけでイギリスの医療編はじまりはじまり~。 

 ロンドンには日系の病院があって,日本人医師の診察すら受けられるらしい。ところが,ここにはもちろんそんなものはない。また,このようなプライベートと呼ばれる医療を利用するには,高額の医療費がかかるらしい。もっとも旅行傷害保険に入ればよい。ただし,調べてみると,一家で何十万円,という金額である。駐在のひとは,おそらく会社が払ってくれるのであろう。保険が全額払ってくれるとなると,被保険者は見境なく病院にかかるであろうし,旅行者本人の懐が痛むわけではないから,病院が請求する診察費もべらぼうに高くなるのであろう。さる病院のホームページには初診料135ポンドより,とある。保険会社も,採算がとれるまで保険料を上げればいいしね。

 ところがイギリスは国民皆保険の国である。もっといえば国民でなくても6ヶ月以上滞在するひとは,国民保険に加入することができる。しかも医療費は原則無料らしい。ただし,好きなときに好きな医者にかかれるわけではなく,かかりつけ医(GP:General Practitionar)に登録し,電話で診察の予約を取ったうえで診察を受け,症状によっては大病院を紹介されるらしい。タダにしておくと,かかり放題,請求し放題,という問題が起こってしまうはずだから,そのためには受診制限は必須である。

 さて,GP探しは面倒だろうなあ,と思っていたが,ビジネススクールの国際関係担当事務のワッツさんが,到着2日目にGP情報を含めいろいろ教えてくれた。よく考えれば,大学には大量に学生や教職員がいる。そういうアドバイスは慣れている風であった。
 そんなわけで電話で予約を取って,パスポートと住所を証明できるものとしてTenancy Agreement(住まいの契約書)を持って,GPへ赴く。

 イギリスは,ある面では日本以上の医療崩壊が起こっているという。NHS(National Healthcare System)の問題点は,いつも報じられている。そもそもGPの予約は取れず,診断がついても治療はずいぶん待たされるとか。待ちきれなくて死んじゃったとか。富裕層は自分で保険に入ってプライベートの医療を受けるとか。
 とはいえ,まがりなりにも外国人も含めて全員に無料の医療が保証されている,というのは優れている,ともいえる。アメリカでは,医療保険の保険料も診察料もべらぼうで,子どもが病気になったために,支払われる保険金の上限まで達してしまった,とある人が言っていた。それを聞いて「まあ,アメリカって格差社会なのね。」というひとが少なくないという東の方にあるある国では,国民皆保険を掲げつつも,その保険料が払えず,無保険になっている人も少なくないという。実際,大学院生時代,国保の加入者であったが,負担感は大きかった。

 そんなわけで描いていたGPのイメージは,薄汚れた診療所,つっけんどんな医者,アル中の患者が徘徊する待合室であった。ところが,実際に出かけてみると,意に反してこぎれいである。また来ている人も底辺層という感じは全くしない。この日は,家族分の健康状態調査票と,容器をもらって帰ってくる。「urine」。あまり聞かない単語なので一瞬わからなかった。違うものを入れていったらひんしゅくだろうなあ...。
nice!(0)  コメント(0) 

カップラーメン(その2) [在外研究(暮らし)]

 EDOラーメンも,具が入ってないのはさびしいですけど結構おいしくいただきました。日本メーカーのものはないのか?
 P1000033.JPG 
 
 大学近くのコンビニには,見慣れぬ日清カップヌードル「台味道」や,出前一丁が置いてあります。一個1ポンド弱なので,日本よりはややお安い。中国法人やヨーロッパ法人が現地で生産したものを,イギリスに持ってきているようですね。韓国や中国のメーカーは自国で生産したものを輸出できることを考えると,為替,人件費と日本がいかに製造業にとって厳しい条件になっていることを実感させられます。

 また,過剰品質も高コストにつながっていることは,間違いなさそうです。「台味道」の容器は紙でできていて手で持つとちょっと熱い。「出前一丁」はプラスチックでできていて,汁をすすると,カップが口の端に当たって痛い。日本の発泡スチロールのカップはなんて良くできているのだろう,と思わずにはいられないですね。
 
 よく聞く意見に,「「日本製品」に対する一定のブランドイメージはあるようなので,日本ブランドを全面に押し出すことが必要」というのがある。
 ところが,日清が日本企業で,EDOラーメンが中国企業だ,ということに気がつくひとはどれだけいるだろうか。中国企業が,日本風の名前を商標登録するのを訴訟等で止めさせていく,という動きがあることを知っているが,日本でも王朝キムチとか宮廷キムチという日本製のキムチがあるように,日本風の名前を使うことを完全に止めさせるのは,現実的ではない。もちろん,けしからん,というのは自由だが,けしからんというのは,生産的だとは思えない。そう思う人は,Yahoo!とかtwitterでけしからんと言っておればよろしい。
 
  また,NECや,Nikonは,ネックやナイコンであって,日本企業だということを知らない人も結構いる(日本への中東からの留学生談)。SONYが日本企業だと言うことを知らない人は実際にいた(3年前イギリスに引率した学生談)。「日本にはNINTENDOある?」って,聞かれた日本の女子高校生もいる(ただし,20年前)。 結局消費者の選択は,一義的にはどこの国の企業が作った,ということよりも,その製品がどうか,ということにかかっていると思う。Panasonicが,松下電器産業から名前を変えたように,既に企業の認識は変わっているのではないか。

 そんなわけで,官民挙げて,日本ブランドを売り込むことが,日本製造業の競争力を増す,というのは妄論じゃないかなあ,と思う。官民挙げて,ラベリングや認証機関を作って,売り込むという方法もないわけではないが,経済産業省関係の天下り先が増えるだけではないか。「紀州備長炭使用店」の焼き鳥ならうまい,と考える消費者はそんなに多くない。すべての店が本当に紀州で作られた備長炭を使っているかは疑わしい,という意見さえある(日野先生調べ。サンプル数1。)。
 結局,多国籍化して,生産を現地化して,経営を現地化して,価格と品質,サービスのとれた製品を売っていくのが,今後の日本企業の生き残る道ではないか。それは個々の組織と個人の努力にかかっていると思う。当地では,当地で作られたNISSANが,他のヨーロッパの車に混ざって,普通に走っている。5,500人の従業員がいるそうだが,日本人は20人ぐらいかな,とは,NISSANで働くイギリス人社員(たまたま電車の中で出会った)の弁。
 食品についても同じであろう。当地では,どこで作った分からないsatsuma(みかん。芋に非ず。)や,shimeji(きのこ)が普通に八百屋で売られている。そばに日本産が並べられて,「こっちの方が値段は高いけど,おいしいね。」ということになって,市場は開拓できるのではないか。もちろん,店によっては,日本産を偽って売る店が出てくるかもしれないが,それは最終的に,その国の市場のルールと慣行をふまえた小売店と消費者の信頼関係の問題ではないか。


 と,ごちゃごちゃ言っているうちに3分経ちましたね。それでは,ラーメンをいただくことにしましょう。おお,ちゃんと日本と同じように具が入っている。写真ほどには大きくないですねどね。まあ,これも現地化の一種ですかね。お味は,カップヌードルにそっくり。ズルズル。
nice!(0)  コメント(0) 

カップラーメン(その1) [在外研究(暮らし)]

 今日はCityCentreのアジア食料品店にやってきました。それでは中に入ってみることにしましょう。
 店員さんはどうやらタイ系の方々のようにお見受けします。ここはタイ人経営者による経営のようですね。

 それでは棚を見てみましょう。おお,タイのラーメンがあります。ナンプラーの小瓶があります。餅米を蒸すための草のかごがあります。しかし店内を見回すと,タイ,韓国,中国が,2:2:6ぐらいの割合で並んでいますね。買い物をしている人は,確かにアジア系の人が多いですが,ヨーロッパ系の人もいますね。 
 
  それではともかく,お買い物をして帰ることにしましょう。
 まずは,Japanese rice。1kg 1.60ポンド。ただし産地不明。カリフォルニアかタイか,はたまたイタリアか。たまには米も食べたいですね。日本育ちとしてはね。

 カップ麺も食べたいですね。こちらは韓国の辛ラーメン。正直,日本で買ったことも多々あるけど今はマジで買わない。おおっと,高岡蒼甫くんみたいな口調になってしまいましたね。だって,辛いんだもん。「辛って書いてあるだろうが!」。

 おや,こんなところに,「江戸ラーメン」っていうのが売ってますね。ほ~,しかも,「札幌」「沖縄」「熊本」3種類も。「札幌豚骨味」とか,書いてありますよ。久しぶりに,日本のラーメンでも買ってみることにしましょうか。日本企業も頑張ってますね。
P1000032.JPG
 
 えっ,札幌豚骨味???? 札幌????,豚骨????驒????
 会社は,香港?産地はシンガポール?ここどこ??わたしはだれ??マジ買わない???おおっと,また高岡くん,と,そのお友達ネタですよ~。中国企業が日本風を騙ってますよ~。早くツイートしないとだめですよ~。

 この間は,「さぬき」って書いてある韓国製の冷凍うどんを買っちゃいましたよ。でかでかと「さぬき」,あとは,よく見たら全部ハングルですよ。しかも,けしからんことに,歯ごたえしこしこ,のどごしちゅるちゅるなんですよ。高岡くん,Come on!

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

お金をどうするか [在外研究(暮らし)]

 今日大学で買った500mlのペットボトルが1ポンド20ペンス。街のコスタコーヒーで飲んだコーヒー(ラテアートつき)とちっこいチョコレートとクランベリーのケーキで4ポンド25ペンス。現在のところ1ポンド=125円ぐらいなので,まあ,日本の物価と同じぐらいの感覚ですな。パブのビールは1パイント約0.57リットルで4ポンド以下(銘柄にもよるがおおむね)。これは日本よりも安そう。

 ところで,3年前語学研修を引率してイギリスに来たときは,1ポンド200円を軽く超えてました...。あのときは,何を買っても高かったです。学生たちが寮生活をしていましたが,誰が誰のものを黙って食べたとか,一緒にゆでたパスタを誰が多く食ったとか,そんなけんかをする始末。
 「先生,一緒にご飯食べましょうよ。[黒ハート]」とか言われました。ここで何を期待されているのかが分からない人には教員稼業は無理ですね。みんなでビフテキを焼いて長粒米を炊いてワインを飲んだのを思い出します。
 「人望は金で買え。」や「けちは好かれない。」ということを学ぶのも大学生にとっては大事なことだと思う。私が仕事を始めるときに,「身銭を切って遊べ。」とアドバイスをしてくれた先生がいたが,これは真実だと思う。そもそも人格が立派で人望のある人はまた違うのかもしれないですけどね。

 さて,来年の4月から在外に行こうという人は,「あ~,いいな~。円高で。」と思っているはずです。現金やトラベラーズチェックをちょっとだけでも今のうちに両替しておこうかな~,とかいう先生もいらっしゃるはずです。日本国内でのポンドの現金はドルやユーロに比べて割高感があります。発行手数料こそかかるものの,レートはT/Cの方がよい。さて,T/Cにするか,現金にするか?どちらがお得か?

 「トラベラーズチェックは,イギリスでは無手数料で現金に換えてもらえるところはない。」とかいう情報がネットに書いてありますが,そんなことなかったです。

 私の経験からは,「アメリカン・エクスプレスのポンド建てT/Cは,手数料なしでLlyods銀行やBarclays銀行で換金できる。」 これが正しいです。あ,もっと正確に書き直します。「2011年現在,当地にあるLlyods銀行やBarclays銀行では,アメックスの200ポンドのT/Cは無手数料で換金できる。」です。ちなみにトーマスクックの両替所では2%の手数料が必要。

 僕の場合,今年(2011年)が,3年前みたいに超ポンド高になったらどうしよう,と思ったので,何十万円分かT/Cも持ってきました。東京では三井住友や東京三菱の外貨ショップで購入可能。ちなみに,今のところT/C購入時よりも10円ぐらい円高で推移...。日頃の行いが悪いので,欲を出すとろくなことになりません。

 ちなみに,その他の現金入手手段としてスルガ銀行のデビットカードを作ってみました。出発直前に海外利用手数料が3%に引き上げ。1回につき200円の利用手数料もかかる。田舎銀行を当てにした僕が馬鹿だったです。10万円手に入れるんだったら,私学共済JCBカードでキャッシングして,スカイプで返済額を確認して,インターネットバンキングで返済した方が安上がり。ただ,クレジットカード利用に手数料がかかるお店とかB&Bとか格安航空があるので,デビットカードは一枚あると便利だと思う。
 もっともこっちの銀行で口座を開けば,デビットカードはついてくるのかな?こちらの銀行で口座を開かなかったので,そこはよく分からないです。 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

イギリス在外研究(リーダーシップ論) [在外研究(暮らし)]

 菅首相はどうするべきなのか?

 というニュースは,ここイギリスでは全く報じられていない。それはさておき,どうするべきなのか。,少数派に与するフォロワーアプローチのリーダーシップ論者なりに考えてみようと思う。

 「人々は,リーダーシップが実際以上に結果を支配すると思っているからこそリーダーのいうことを聞くし,またうまくいっていないときには,実際の責任がなくともリーダーを非難する。」という仮説がある。リーダーシップの幻想理論(Romance of Leadership)と呼ばれる一連の研究である(リーダーシップのロマンス理論と訳す人々がいるが,そう訳すと意味不明である。)。
 いや,結果を左右するのがリーダーシップだ,と思っている人はW杯を考えて欲しい。どんなに優れた監督を連れてこようとも,日本代表が「イングランド,ドイツ,ブラジル,日本」からなる一次リーグを突破するのは無理であろう。この例は極端だとしても,リーダーが全知全能ではない以上,リーダー以外にも結果に影響を与える変数は山のようにある。

 さて,上の仮説は前半部分と後半部分に分かれるが,前半はマインドルというアメリカの研究者が,この関係を見いだした。後半はどうか?詳しくは,『早稲田商学』423号に書いた実証研究を読んでください,なのだが...。実証研究からいえる答えはYes。ゆえに,菅辞めろ辞めろの声が,巻き起こるのは理解できる。

 また,リーダーシップは,ついてくる人の期待の上に成り立っている。リーダーが,いや~,責任ないので,辞めたり謝ったりしません,といっておれば,自分に対する期待を低くしてしまうであろう。そういう意味からはとっとと辞めた方がよいのかもしれない。

 ただし,ここ数年,安倍,福田,鳩山と,首相は本当にくだらないことで簡単に辞めている。本当に辞めなければならない理由があったのは麻生首相だけである。その結果,「総理大臣はなんかうまくいっていなそうだったら,すぐ辞めるものだ。」という暗黙の期待が政界にも国民にも蔓延していないか。ここで菅も辞めれば,この暗黙の期待は変わらないであろう。次の首相もあっという間に支持率低下,退陣に追い込まれるに間違いない。菅おろしに一生懸命な民主党も自民党も総理大臣の座を軽くし続けているのではないか。自分が首相になったときに困ると思うのだが,いや,賢明なセンセイ方だから,辞めないことを見越して辞めろ辞めろとおっしゃっているに違いない。

 日本が置かれているのは,「イングランド,ドイツ,ほにゃほにゃ,日本」の一次リーグを突破するぐらい困難な状況である。ここは誰がやってもそう大差はない。私が期待するのは,続投である。解散総選挙ができるまで粘り続けて欲しい。打たれても,たたかれても,粘り続けることで,首相は,選挙に負けたとき以外は辞める必要のないポジションだ,という空気を作り出して欲しい。それが,政局に左右されない政治につながるのではないか。首相といえどもできることは限られているが,毎年繰り返される総理大臣おろしの混乱はますます政治ができることを,そして国民の期待を小さくしてしまうと思う。

 さて,イギリスに来て3ヶ月と少し。ようやくイングランド北部にも夏が来たようである。日本のことは気がかりだが,充実した研究生活である。受け入れ先になってくれた先生,また同僚の皆さんには本当によくしてもらっている。怪しい英語で研究発表もさせてもらった。よその大学の研究会にも連れて行ってもらった。こういう論文を書いたんだけど,参考になりそうだから読んでみない?とか。また,多くの人が日本について気遣ってくれたこともお知らせしておきたい。
 そろそろ,「在外研究」編は終わりにしようと思う。「在外研究」や「イギリス」で検索して,このブログにたどり着く方々は少なくない。これから在外研究に行こうという研究者の皆さんの参考になるところがあれば,これに勝る喜びはない。もっとも,研究者稼業を離れて趣味の話を書いてみたい,という気持ちがないわけではないのだけれど。


リーダーシップとフォロワー・アプローチ

リーダーシップとフォロワー・アプローチ

  • 作者: 日野 健太
  • 出版社/メーカー: 文眞堂
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: 単行本



nice!(0)  コメント(5) 

車の運転 [在外研究(暮らし)]

 車を持つべきか否か。これについては,いろいろな意見があると思う。我が家の場合,TESCO(イギリスのグロッサリーの3分の1はここで売られているという(ソース:なんかの新聞)スーパー)までは,徒歩20分。
 ちなみに,TESCO商法とでも呼ぶべき売り方は,”3 for 2”,つまり,3個で2個分のお値段,というやつである。しかも牛乳(4パイント,2リットル強)や,ジュース(1リットル)などが,このようにして売られている。したがってデイパックをしょってお買い物,である。

 もっとも,バスはよく通っており,絶対車がないと生活できない,というわけではない。また,電車の旅行も楽しい。車を持ってしまうと,1年しか乗らないんだからと,車で出かけたくなるだろう。けちですからね。そんなわけで,日常生活はなしですますことにした。

 近隣に出かける際は,レンタカーを借りることにした。ところがである。日本のガイドブックによると,「ヨーロッパのレンタカーはマニュアル車が一般的。」とある。ホントかウソか。本当である。ただし,この場合の一般的というのは,あくまで一般的と言うことであって,オートマが借りられないということではないらしい。もったいぶって意味のない話で申し訳ないです。

 さて,たしか,私の年代は,男に限っていえば90%はマニュアル車可の免許を選択していたと思う(今の大学生は違う)。当時は,オートマ免許は軟弱と見なされていたと記憶している。その流れで,マニュアル車を選択する。とはいえ,マニュアル車など免許を取って以来18年,ほとんど乗っていない。運転できるのか?

 とりあえず,そーっと半クラッチを使ってレンタカー屋を発進し,家の近くの路地で,発進の練習をすることにした。案の定,エンストする。左足は力を入れすぎてがくがくする。家の前は結構急な坂道である。坂道発進をしなければならない。やっぱりエンストする。下に止めてある車との距離が,だんだん縮まる。
 
 久しぶりにマニュアル車に乗る際に気がついたことについて書き留めておこうと思う。

1.アクセルはそっと。
 オートマ車の場合,アクセルを踏むのは,ドライブかリバースである。車重の抵抗があるから,そう簡単にはエンジンの回転数が上がらない。従って,知らず知らずにぐっと踏んでいる。マニュアルの場合,クラッチを踏んだ状態でアクセルをちょっと踏んで半クラッチでスタートである。この際オートマの発進に比べて,そっと踏まなければならないことに気づく。

2.ニュートラルに入れたらシフトレバーに手を置いて左右に動かしておく。
 乗り始めて2回目ぐらいは,おお,セカンドのままであったか,みたいな感じでエンストしたり,発進の際にあわてたりしていた。ニュートラルに戻したら,左右にシフトレバーを揺するように動かして,ニュートラルに入っていることを確認しておくことを,習慣化する。そうすると,「OK,信号変わったら,ローで発進ね。」と勝手に左手と左足が動くようになる。これって,教習所で習いましたっけ?

3.左手が忙しい。
 左手でウインカーの操作をおこなわなければならない。結果,ウインカーとシフトレバーとの操作を同じ手でしなければならなくなる。これが結構忙しい。また,普段日本車に乗り慣れている人は,ウインカーの代わりにワイパーを動かすこと数回だと思う。

 もっとも,3回乗ると,あんまり器用ではないし,スポーツドライビングとは縁遠い私であるが,問題なく乗りこなせるようになった。挙げ句の果てに,マニュアル車はやっぱり楽しいね,などと言い出す始末...。安全運転でいこうと思う。

 多くの道では,時速60マイル(約96km)が制限速度である。それも,結構細い田舎道である。日本の無駄な高規格道に慣れた目からはまさに「ひょろひょろ」である。町中の30マイル制限はよく守っているから,イギリスの運転事情はよい,と書いている人は多いが,それは認めるとしても,60マイルは速すぎるのではないか。ちょっと遠出をすると,リスやウサギがひかれまくっている。ヨークシャームーアでは,300mに一羽ないし一匹死んでいる(本当です)。

  だいたい,自動車についてちょっと知っているぐらいで,べらべらいうロクでもない人がいる。じゃあ,おまえは,どうなんかい?と言われたら,いや,僕は違うんだよ,もごもご,いや~,自分がこっちに来る前は,マニュアル乗れるかなあ,と不安だったからさ,誰かの役に立つかもしれないと思ってさ,などと言い訳をすることにしたい。安全運転を心から自戒しつつ。
P1010834.jpg






nice!(1)  コメント(0) 

子どもの学校inイギリス(その3・アピール編) [在外研究(暮らし)]

 アピールは,4月20日に州庁であった。アピールは,3人のアピールパネルの前で,州庁の教育部局のフレッドさんが,今回の決定の経緯について説明し,私が異議を申し立てることになる。アピールの日時等をアレンジしてくれたグラハムさんが書記を務めるほか,わたくしを含め,合計9人の出席者があった。

 まず,パネルの中央に座るマーソンさんが,出席者を紹介し,我々は州庁からは独立した立場で双方の主張について検討する,と述べる。続いて,パネルの正面,わたくしの右隣に座るフレッドさんが,今回の決定の経緯について説明する。確かに合同クラスをとって,法律上の問題はクリアしているが,Year1は,すでに34人のところ39人を受け入れてしまっている。彼らが高学年になったとき困るかもしれないので,どの学年も定員以上の受け入れは避けるべきだ,というようなことを説明している。違うのかもしれないが,そう聞こえた。

 説明が終わるとパネルから,「プロフェッサーヒノは,この件に対して何かありますか?」と尋ねられた。主張は書面で提出してあるので,思わず,Nothing particularと答えそうになったが,ここでは彼の主張に反論するべきなのだろう。そこで,「彼の主張はもっともであるが,彼は将来起こる問題について述べていたと思う。我々は必ず1年で帰るので,トモノリの入学は,将来にわたって影響を及ぼす問題ではない。」式のことを述べる。

 ここで一度我々が退席し,数分間パネルが討議した後,結論が示された。トモノリを受け入れる,ここでの生活を楽しんでねとのこと。これにて一件落着。グラハムさんが州庁の出口まで送ってくれる。建物を出るとよく晴れていて前庭の八重桜が鮮やかである。うまくいったのは,出席者全員の親切な態度のためだとおもう。フレッドさんも含め,ゆっくり丁寧に説明してくれたことは書いておかねばならない。

 行政の決定に異議を申し立てるプロセスが,行政内部にちゃんと用意してあって,行政機関とは独立した市民がその当否を決定する,というプロセスを経験したのは得難い経験であった。イギリスでは一般的なプロセスなのかもしれない。例えば,地元紙には,警察がパブの営業時間に対する規制を強化したいが,最終的にはアピールを経て決定されるであろう,というニュースが載っている。そもそも成熟した市民社会においては,権力は,個々の幸福を実現するために存在するのであって,過剰であってはならない。この理想は市民による不断の関心によって実現されているのである。アピールはこの手段なのだろう。

 見聞したことはないので詳しくはわからないし,違う仕組みかもしれないが,同様の理想を実現する仕組みがあるはずである。取締役に対するガバナンスの仕組みが各国違っていいように,日本には日本の仕組みがあるはず。アピールという仕組みが優れている,と主張するつもりは毛頭ない。コーポレートガバナンスについての知識に基づいて推測すれば,日本では行政官の良心と裁量に任されてしまいそうな部分を透明にする,というのがイギリス式なのだと思う。
 日本だってイギリス同様に,個人を尊重することは社会で共有された価値観ですからね。
 

 ところで,個人の勝手を言ってご迷惑をかけ申し訳ありません,格別のご配慮ありがとうございます,という気持ちになるのは,何ででしょうね。日本人だからですかね...。
nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | - 在外研究(暮らし) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。