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イギリスの医療(その3) [在外研究(暮らし)]

それまでも,子ども達が,風邪を引いた,おなかが痛い,ということがあったが,いずれもとりあえず様子を見るうちに落ち着いていた。ところが,11月の中盤のある日,次男トモノリが腹痛を訴える。熱もあるし,むかむか吐き気もするという。スプーンでサイダーを一口ずつ飲ましてやっても,何度か戻す。とりあえず様子を見る,という状況よりは悪そうである。
 というわけで,いよいよGPに行かねばならない,ということになった。月曜日の朝,9時半に電話をしてみると,別に頼み込んだわけではないが,11時に来てくださいとのこと。すんなり予約はとれた。タクシーを呼んで,GPへ。

 受付をすませてしばらく待つと,インド人(名前からしてそうではないか。)医師による診察である。"How can I help this young man?"と,にこにこと迎え入れてくれる。両親が,たどたどしく症状を説明してから,診察に移る。手順は日本とそんなに変わることはない。体温は,両耳の鼓膜温を違う体温計で測定する。体温計を渡されて待合室で自分で検温するのよりは慎重ではないか。おなかを押したりする様子は,日本の病院と変わらない。

 結果,まあ,熱も下がっているし,悪いものでも食べたことによる腹痛でしょう,今日は食事は止めて,ジュースやコーラ(確かにコークって言われた。)を飲ませなさい,食事はヨーグルトのようなものから始めなさいという診断と治療法になる。一応,便の検査をしておきましょう。4時までにレセプションに出しておいたら,明日には結果が分かるので,何か重篤な問題があれば,連絡します,とも。薬も処方箋もなし。3日経ったら来てくださいもなし。

 そんなわけで,家に帰って,医師のアドバイスにしたがって過ごすこと3日,元気を取り戻し,木曜日からは学校にも行けるようになる。というわけで一件落着。金曜日になって,元気になったか,と電話をもらう。家内によれば,なんかが検出された,とかいうことだが,よく分からない。

 今回の経験から見る限り,イギリスの診断や治療も悪くない,と結論したい。薬がないというのは,実はよいと思う。医者で出された薬を無理に飲ませようとしたがために,嘔吐した,とか,嘔吐したのでまた飲ませてみたらまた嘔吐した,という経験は全ての親が持っているのではないか。
 そもそも,ひとさじひとさじ飲ませてやっても戻すときは戻す。親が冷静になって,2,3時間待ってやるしかない。2,3時間早く飲ませたから,2,3時間早く元気になるということも,間に合わなく死んじゃうこともあるまい。まあ,なかなかその辺の加減というか判断は,親だからこそ難しい,とつくづく思う。イギリスみたいに適度に,医者にかかるのがめんどくさい方が,加減の仕方を覚えるのではないか。

 というわけで,私の場合の病気体験を書いてみた。日野家2代(よーするに自分とその弟妹,また自分の子ども)にわたる観察によれば,子どもがちょこまか病気をするのは,年中組までだと言ってよい。そういうわけで,子どもの年齢から見て,ちょっと我が家は恵まれた状況にあったと思う。もっとも,私自身はもう少し大きくなってから,溶連菌感染症や急性腎炎など,重病も経験している。こういう病気になったら,結構面倒くさいぞと思う一方で何とかなるとも思う。病気になるかならないかは分からないし,心配していては,始まらない。と,強がりを言う一方で,残りの滞在期間が無事終わることを祈っている。

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